ビタミンB1は精神にも働く。

ビタミンB1は疲労回復に効果的ですが、実はうつ病など予防にも欠かす事が出来ません。
この為、食品やサプリメントから欠乏しないようにしっかりと摂取したいところです。

ビタミンB1は、精神にも働きます。

実は、ビタミンB1は「道徳のビタミン」とのニックネームもあるのです。

ビタミンB1は糖質の代謝に深く関わっています。ビタミンB1が不足すると低血糖症になりやすくなります。
低血糖症では、アドレナリン・ノルアドレナリンなどの「攻撃ホルモン」が分泌されるため、キレやすい、怒りっぽいイライラする、または抑うつ症状、不安、パニック発作など、様々な精神的な症状が起こります。

こんな文献もあります。

B1欠乏が神経症状を起こすことは、米国のメイヨー・クリニックの実験で確かめられています。
どのような実験かというと、被験者にはビタミンB1を常に不足させている状態を続けさせるという少し乱暴な実験です。

実験の結果は、被験者全員が3ヶ月以内に、興奮しやすい、うつ、ケンカしやすい、非協力的、不幸が迫るという感じになり、その内の二人は、騒ぎ立て、もう生きていてもしょうがないと感じて、自殺の恐れさえ感じられたようです。

その後、21週までに彼らはひどい頭痛、吐き気、嘔吐が起きたので、実験は中止されたのですが、ビタミンB1を与える事で、2~3日で体調は回復したようです。

ビタミンB1以外に、精神に働く栄養素。

以下に、ビタミンB1以外にも精神に働く重要な栄養素がありますので紹介します。

ナイアシン

うつ病や統合失調症の原因の1つとして、ナイアシンの代謝異常によって症状が出現することが分かっています。
欧米などでは20年以上前からナイアシンなどの栄養素を用いて統合失調症の治療が行われています。

DHA

青魚に含まれるDHAは、精神の安定に関わる神経細胞に働いて、ストレスを緩和する働きがあると言われています。
また、心疾患やアルツイマー病の予防、また脳の記憶力改善、集中力向上などに効果をもたらすなどで世界的にも注目されていますが、近年ではうつ病などの症状にも効果的との報告があります。

カルシウム

カルシウムは天然のトランキライザー(精神安定剤)とも言われており、神経のいらだちを抑え安定させる作用があります。
不足すると脳の活動が低下し、イライラ、神経過敏、憂鬱などの症状を起こします。

トリプトファン(アミノ酸の1種)

トリプトファンは脳に運ばれて神経伝達物質セロトニンの原料になります。
セロトニンは精神安定効果があり、アメリカでは天然の睡眠剤としても人気があります。
またこれまでの各種臨床試験より、脳や行動障害の治療に役立つ事が分かっており、うつ病や不眠症の治療に利用しようとする研究が進んでいます。

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